僕は駆け出しの「革職人」

ペンネームレベルダウン

こんにちは。「レベルダウン」です。就労継続B型作業所「なの花会」を利用するようになって、あと2か月ほどで2年になります。今日は私がこの作業所に来る前に個人的に作っていた作品を見てもらおうと思います。

以前、統合失調症を発症して入院していたとき、自分は男なのですが編み物をしてみたくなり、まず「かぎ針」「毛糸」「編み物」の本を買って、見よう見まねでやってみました。始めはうまくいかなかったのですが、そのうち何とかできるようになりました。

昔作った毛糸のミトン

ひとつは、かぎ針で作った直径10㎝ほどのコースター。それから「アラン風ミトン」の編み物、それに磨きアワビで作ったペンダントです。コースターは1時間ほどで完成。「アラン風ミトン」は、合間を見ながら作ったので1カ月ほどかかってしまいました。

同じくアワビの細工品

磨きアワビのペンダントは、自分が仕事をしていなかったときに、貝細工で生活している人がいるというのを知って、自分もやってみたいと思ったのがきっかけです。四苦八苦のすえになんとか形にはなりましたが、それが売れる当てはありませんでした。

現在の作業所に来たとき、はじめは週2日の通所で、小型電子家電の解体を担当しました。主にパソコンなどを部材別に分解する仕事です。ここでは他に貝細工と革細工をするグループがあります。ときおり外部から委託品(文具など)が大量にもちこまれることがあり、納期が短い時は全員でそちらの作業にあたることになります。そのときは、スタッフの職業指導員も皆あつまるので、会話がはずみます。自分に対してもいろいろ話しかけてくれて、充実感もあります。

ある日、以前作った自分の作品を見てもらおうと思い作業所に持ってきてみました。その結果、思った以上に評価していただき、革班の指導員にもそのことが伝わりました。
革班ではたくさんの種類の商品が作られていて、ひとつひとつが熟練のいる作業で時間もかかります。だから、委託の仕事が入っても、よほどでないと革班の人たちは呼ばれません。
この仕事を見たとき、ぜひ自分もやってみたいと思いました。それを話すと指導員から「作業所に毎日来る人でないとだめ」と言われたので、すぐに通所日数を増やすことにしました。

革班になり、最初は全くうまくいかなかったのですが、指導員の方が温かく、親切に教えてくれるので、だんだんと制作に夢中で取り組むようになりました。この革の作業に慣れ、商品としてのレベルになるのに、自分の場合1週間を要しましたが、その時間は人それぞれとのことでした。
先日は、以前ここにいた先輩がつくったという過去の作品を見せてもらいました。それをまねて、そのまま作ったのを指導員の方に診てもらい、作品の出来のダメな部分を指摘していただきました。例えば革を刻印で打った時の深さ、浅さの具合、その後の工程の染料の出方を指摘していただくのですが、指導員の方はとてもやさしく教えてくれました。

私の最近の「仕事」です

それができるようになると、今度はオリジナルを作るのですが、このあいだも指導員の方にみてもらい、作品の刻印の配置、刻印の選び方など、色の出方を指摘していただきました。
例えば、一つの作品に使える大きな刻印は二つまで、右に小さな刻印を打ったら、左にも同じような場所にならなければいけない…とか。
また、色の背景は重要な中心が明るかったら暗く、中心が暗かったら背景は明るく、緑と青、オレンジと黄色や茶色は同系色なので目立たない、といったことを学んでいきます。

こういった技術の向上は、日々続いていますし、これからも新しい技術を磨いていこうと思います。それが楽しく学べるのがこの作業所だと思います。今ではとても有意義にここを利用させていただいております。

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